あいまいみぃ主演公演「夢遊病」 共通パート

あいまいみぃ主演公演

夢遊病

会場 下北蒲公英劇場

日程 九月二十五日~二十七日

   全七公演

 前売 二千三百円

 当日 二千五百円

 

あらすじ


「もう一度だけ、君と遊びたいよ」

夜半、東京歌舞伎町にて

売れない役者は思いもしない恋に落ちる。

あの一夜の過ちを正したかった。

夢の中でなら君にまた逢えるだろうか。


「迎えに行くから待っていて」


キャスト


仲澤圭   あいまいみぃ 金澤慶祐

和島敏也  東京ハイカブリ 和田やん

小野田智香 東京ハイカブリ 寺田サトシ

重岡孝太郎 アリノス 有岡伸一郎

山下穂乃果 山本玲衣香

仲澤亮介  NANDA 浅井乃輔

岩田明義  NANDA 庭昭宗

冷水崇   アリノス 清水隆嗣

箱根暁人  ニンゲンサンショウウオ 式根亨

日野章史  ニンゲンサンショウウオ 星野篤文


篠山昌吾  あいまいみぃ 松山祥大

 

 

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開演10分前


 箱根暁人(ニンゲンサンショウウオ式根)が客席前に現れ、一礼する。

「初めまして、瀬田大学院から参りました箱根暁人と申します」

「今から皆さんには研究に参加して頂きたいと思います」

 箱根がつらつらと研究内容について説明している。


 配られたのは研究倫理に基づいた承諾書、

 それからたった一行の質問文。


『ある人物に、「待っていて」と言われています。その時貴方はどうしていますか』

 選択肢は三つ。

『待ち続ける』

『待つことを忘れてしまう』

『自分から会いに行く』

 

 


開演

 

シーン0


 夜半、東京歌舞伎町にて。酔い潰れ千鳥足になりながら帰路につこうとする仲澤圭(あいまいみぃ金澤)と謎の男(あいまいみぃ松山)の肩がぶつかる。その拍子に圭が転び、足を捻ってしまう。困っている圭の前にしゃがみ、圭の長い髪を手櫛で梳く謎の男。

「俺と、一晩だけ遊んでくれないかな」

 スイッチの音と共に暗転する世界。

 

 


シーン1


 明るくなる。

 圭・和島敏也(東京ハイカブリ和田やん)・小野田智香(東京ハイカブリ寺田)・重岡孝太郎(アリノス有岡)がテーブルの前で頭を捻っている。どうやら劇団員である一同は次にやる演劇公演をどの脚本にするか考えているらしい。テーブルに無造作に置かれた脚本のタイトルを読み上げる。すると残りの劇団員がその脚本を演じ、ああでもないこうでもないと是非を話し合っていた。

(尚、勿論脚本がある訳ではなく、全員タイトルに合わせ即興で脚本を作っている。脚本のタイトルを読み上げた人間は即興コントに参加しなくて良いため、四人は必死でテーブルの上の紙を読もうとしている。)

 重岡のバイトの時刻になり四人は解散。三人の話題は一つ前の公演の打ち上げでの話に。和島が圭に家に帰ることが出来たかを尋ねると、突然のノイズ音と共に圭は苦しそうに頭を抱える。

「おーい、おい、圭聞いてるか?」

「え、顔色悪いけど……大丈夫?」

 心配そうに圭を見詰める和島と小野田。仲澤は「何でもない」「よく覚えていない」と笑う。

 

 


シーン?


 舞台は変わり、漂う空気にも変化が見える。

「ダメだよ、そんなになるまで酔っ払っちゃ……」

 ベッドの上で唸る圭。謎の男が圭の鞄、それから財布を漁り免許証を見付ける。

「仲澤圭くん、か」

「なに、して」

「名前聞いてなかったと思って。大丈夫、金に興味は無いよ」

 奇妙なやり取りを続ける二人。圭はベッドから動けない。

「圭」

 謎の男が動けないままの圭に馬乗りをする。

「俺達って、出逢ってよかったのかな」

 スイッチの音と共に暗転。

 踏切の音が近付いてくる。

 スイッチの音と共に即座に明転、すると謎の男の姿は無い。荒い息の圭がベッドの上で頭を抱えている。激しい叫び声を上げる圭。

 扉の開く音。

 

 


シーン2


 白衣姿の男達が談笑している。日野章史(ニンゲンサンショウウオ星野)は医者であり、箱根は大学院生。すると看護士である冷水崇(アリノス清水)が圭を部屋に連れて来る。日野はどうやら圭の担当医のようだ。

「最近変わったことはありませんか」

「変な夢を見るんです。知らない男がなんか、部屋に居たり」

 圭が夢の内容を伝えると日野は顔を顰める。

「処方箋出しておきますね」

「俺、やっぱ何かの病気」

「仲澤さん」

「あの日から俺おかしくて」

 立ち上がる圭、それからノイズ音が聞こえ頭を抱える。

 暫く圭を見詰めてから、冷水の方にふと目をやる。冷水が崩れている圭の肩を抱き起こし部屋から出て行く。

「あの患者さん」

「……まあ、よくあることだ」

 カフェイン中毒の日野は箱根に熱いコーヒーを淹れるよう頼んだ。

 戻ってきた冷水は胸に抱えた植木鉢に水と間違えて淹れたてのコーヒーを注いでいた。

 

 


シーン3


 圭達の劇団に山下穂乃果(山本玲衣香)が新しく入団した。美人な山下に鼻の下を伸ばす和島と重岡。山下に「イケメンにしか興味無いんで」と軽くあしらわれる二人、山下は圭に標的を定め擦り寄るも圭は困ったように笑うのみ。

 山下を迎え入れた四人、次の劇が決まっていない旨を伝えると山本がテーブルに置かれた脚本を読み上げる。即興コントを始めようとする四人に首を傾げる山下。

 すると圭達の元に仲澤亮介(NANDA浅井)が現れる。圭の兄である亮介は劇団を応援しており、差し入れを両手に抱えていた。すると山下はあっさり圭から亮介に鞍替え、ズッコケる全員を横目に擦り寄るも亮介はしっかりと左手薬指を指し追い払う。ついでに亮介がテーブルに置かれた脚本を読み上げる。

「何ボーッとしてんの。ほい、やったやった」

 大慌てで即興コントを始める四人。山下も巻き添え。

 

 

シーン4


 圭と亮介が座りながら話している。会いたいと申し出たのは圭の方だった。

「突然どうしたの。俺の家族に会いたいなんて今まで一回も無かったのに」

 二人の間に笑顔でお茶を差し出す岩田明義(NANDA庭)。亮介が同席するように誘うも岩田は照れ臭そうに断り部屋を後にする。

 圭は難しい顔をして、亮介に男の夢の話をする。亮介は眉を顰める。

「病気だなそりゃ。恋煩いだ」

 亮介の言葉を受け机に伏す圭。ケラケラと笑いながら亮介は圭の頭を撫でる。訪ねに来た理由を察した亮介が圭に相手の男のことを聞くも、圭は困ってしまう。

「何も覚えてないんだよ」

「ええ!」

 部屋から出て行った筈の岩田の声が聞こえる。亮介が岩田の襟を掴みながらそのまま圭に話をするように促す。


 圭は男のことを断片的にしか覚えていなかった。自分よりも背が高かったこと、少し荒っぽくてそれでも優しかったこと、何度も彼に会っていてその度に心惹かれていったこと……、口に出す度に圭の顔が辛く歪んで行く。

 「青い薔薇」、そう呟いた瞬間に圭の脳内にノイズ音が走る。ミシミシと酷く耳障りな音が鳴り、圭は頭を抱える。思い出せない。これ以上思い出したら自分は可笑しくなってしまうと悟った圭は話すのを止める。亮介と岩田は顔を見合わせる。

 圭は記憶を失っている。理由は圭にも分からない。

 ただ、圭の中に「××」という男への愛だけが残っていた。

 踏切の音が聞こえる。


 圭が部屋から出て行った後、岩田が呟く

「もしかして」

 

 


シーン?


 踏切の音が聞こえる。

 圭はベッドの上で上裸のまま頭を抱えている。謎の男は険しい顔でシャツのボタンを閉めている。少しずつズレた不気味な会話を続ける二人。

「なあ」

「圭」

「何で俺、お前のこと覚えてないの」

「何言ってんの。また飲み過ぎたんじゃない」

「違う。だって、これは、俺の夢だから。俺、絶対、お前が」

 ベッドの上で苦しみ喘ぐ。謎の男は圭の乱れた髪を整える。


「迎えに行くから、待っていて」

 

「待って、いて……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『ある人物に、「待っていて」と言われています。その時貴方はどうしていますか』


 選択肢は三つ。

『待ち続ける』

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『待つことを忘れてしまう』

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病ルート - iharageinouの日記


『自分から会いに行く』

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